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アメリカン・クラフト美術館のニュースレター日本語訳
5月18日からアメリカン・クラフト美術館に於いて、『折り紙建築』展が開催されます。折り紙建築創始者の茶谷正洋氏の作品をはじめ、折り紙建築家の中沢圭子氏、木原隆明氏の作品、そして世界の影響を受けた作家達の作品が100点以上展示されます。
建築家茶谷正洋氏(東京在中)は日本の伝統的な昔ながらの折り紙に、切り込みを入れる手法を加えて20年前から『折り紙建築』を創作しています。『折り紙建築』とは、二つ折りの平らな紙から3次元建築物が姿を表すというものです。90度の直角に開く型は一枚の紙から作られています。折り畳むとまたもとの一枚の紙に戻ります。180度の平面に開く型は、必要な形の紙片に切ってつなぎ合わせ、糸で台紙にかがり、折りたたみ式の立体を作ります。折り紙建築は、いずれの作品もカードになっていて、二つ折りにすると平らな一枚の紙の状態になるのです。
今回の展覧会は『折り紙建築』のアメリカの美術館に於ける大々的に行われる最初のもので、展示作品は有名建築から花、動物、幾何模様、身の回りのオブジェなど。例えば、フランク・ライト・ロイドの建築群、滝の家、彼のスタジオ・ハウス、グッゲンハイム美術館とロビン・ハウス。そしてノートルダム寺院、エッフェル塔、シドニーオペラハウス・ハウス、ピサの斜塔、上海ファイナンシャル・センター、そしてニューヨークの代名詞的建築クライスラービル等、他にも沢山展示されます。又この展覧会の為にカードとしてではなくインテリアとして大きいサイズで作り上げた作品、来館者の皆さんが作品を閉じたり開いたり出来る工夫がされている作品が特別に展示され、体験型展示となっているのも特徴です。
館長のホリー・ホッチナー女史は、「1956年のアメリカン・クラフト美術館創立以来、国際的に伝統工芸から斬新な工芸作品までを発表し続けてきましたが、我々にとって初の試みとなる、『折り紙建築』の展示は、新鮮な驚きと同時に楽しくもあり、伝統から生まれた新しい工芸作品として紹介出来る事をうれしく思います」と述べ、美術館の主任学芸員のデヴィッド・マックファデン氏曰く「一枚の白い紙のような何でもない素材がアーティストの手によって美しくも力強く、そして幻のようなオブジェにも生まれ変わります。人をはっとさせながら奥の深い『折り紙建築』は、そういった心ひかれる生まれ変わりの記録なのです。また小さくて馴染みやすくできていますが、これらの作品は私達の想像力の中で本物の建築となっていきます。『折り紙建築』は皆さんを一枚の紙の中に折り込まれた世界の旅へとお誘いします。」
「この展覧会はアメリカン・クラフト美術館の主旨である、“芸術性、創造性にあふれた制作活動によってこそ得られる世界からの理解と認識”をまさに満たしています。そして私たちの文化の中でアート、工芸そしてデザインが互いに共存していることをはっきりと教えてくれるのです。また、アメリカ人の観客がこの分野のリーダー的な存在である日本の専門家たちと直接ふれあうという新しい試みと同時に、大人と子供たちが一緒に参加できるようになっています。さらに世界に影響を与えている日本の“新しい試み”を大規模に知らせることにもなります。」
展覧会は客員学芸員に海老原嘉子女史(ニューヨーク・ソーホーにて1983年よりギャラリー91を主催)、そして美術館から主任学芸員のデヴィッド・マックファデン氏、学芸員助手のスーザン・バリー女史との協力で企画されました。展覧会会場のユニークな展示デザインは国際的に活躍するエリック・チャン氏(Ecco Designスタジオ)が担当しています。美術館の教育プログラム部門では作品の重要性とともに、その対話的で世界的な特徴を強調するプログラムを、大人、こどもそして家族向けに会期中開催します。
茶谷正洋氏は自身の作品についてこう語っています。「歴史的建築とその歴史、モニュメントの大きい小さい、その価値を実感するということは、自分自身の価値を自覚することであり、そして自分の場所を知るということなのです。私たちのほとんどがやがて知ることになる真実。『折り紙建築』はアメリカの建築とその遺産の尊重、広く言えば、建築を理解するためのより普遍的な感覚と建築が世界を真に人間の生活に適応させている役割を育むための手段のひとつなのです。」
『折り紙建築』は建築デザイン自体の美しさに深く起因していると言えます。今日では、多くの愛好家がインターネットを通じてホームページを開設し、それぞれの個人的な作品を紹介するなどして、世界中に広まっています。第一人者である茶谷正洋氏の作品及び、中沢圭子氏、木原隆明氏の作品をここで紹介することは折り紙建築のコンセプトを再認識する良い機会にもなることでしょう。東京工芸大学の名誉教授である茶谷氏は日本の主要な建築教育者の一人です。彼と共に折り紙建築作家である中沢氏、木原氏とは50冊以上もの本を出版しており、その主題についてはセミナーの指導、催しを行っています。世界の影響を受けた折り紙建築のアーティストにはオランダからイングリッド・シリアカス氏、アルゼンチンからマリア・ガレド女史の参加もあります。
「『折り紙建築』は日本では20年以上も前から知られていて評価されてきましたが、アメリカには1980年代の中頃に紹介されています。」とマックファデン氏は指摘します。「『折り紙建築』はアメリカよりも海外でより知られているので、この展覧会が幅広く、そして多様で新しい観客にこの分野を紹介することになるでしょう。また美術館の来館者には折り紙、切り紙における建築を鑑賞したり造るユニークな機会を与えることになります。」
協力・後援:財団法人 花王芸術・科学財団/ 財団法人 野村国際文化財団/
株式会社 インダストリー・ニューヨーク/ 茶谷基金
場所:アメリカンクラフト美術館(The American Craft Museum)
40 West 53rd Street (between 5th and 6th Avenues)
時間:火曜日〜日曜日 午前10時〜午後6時
木曜日 午前10時〜午後8時
休館日 月曜日・祭日
入場料:大人5ドル 学生・高齢者(アメリカ国民)2.5ドル
会員・12歳以下の子供 無料
木曜日午後6時〜8時 来館者の自由な金額
美術館ホームページアドレス:http://www.americancraftmuseum.org
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